PCTルートにおける審査ハイウェイの利用

PCT-PPHの利用

国際調査報告書で特許性有りと判断された請求項に対応する請求項をクレームセット中に含む場合、特許審査ハイウェイ(PCT-PPH;Patent Prosecution Highway)を利用することができます。

具体的には、各国審査段階において、全請求項が、国際調査報告書で特許性ありと判断された請求項に対応していれば、PCT-PPHの申請を行うことで、早期に審査結果を得ることができます。

特許審査ハイウェイを利用すれば、通常ルートに比べて審査結果が早期に得られるだけでなく、最終的な登録率が圧倒的に高くなり、且つ、最終処分までのOA回数が目に見えて少なくなります。

多くの特許庁について、PCT-PPHの利用による登録率の向上およびOA回数の減少の効果が実際の統計情報として表れています。

外国で権利取得するまでに要する費用のうち多くはOA対応費用が占めています。肯定的な国際調査報告(又は国際予備報告)を得ることができれば、PCT-PPHの利用により、諸外国における権利化費用を大きく削減できます。

まとめ

PCT-PPHのメリットを最大限に享受するためには、国際調査報告にて新規性・進歩性有りと判断してもらえそうな請求項を含むクレームセットをPCT出願時に作成しておくことが重要です。

SSIPのグローバル明細書は、拒絶されにくい内的付加の従属請求項をクレームセットに含めるようにしていますので、肯定的な国際調査報告を得てPCT-PPHを利用するという戦略との相性は抜群です。