米国向けの工夫

クレーム限定解釈の回避

米国向けの工夫として最も重要なのは、クレーム限定解釈を回避するために明細書の記載を慎重に行うことです。

米国は、クレーム限定解釈の判例が多く、何も対策を採っていなければ権利行使時に困ってしまう可能性があります。なかでも注意しなければならないのが、“本発明(the present invention)”という用語を使用することのリスクです。

米国におけるクレーム限定解釈

米国では、“本発明(the present invention)”という用語とともに説明した内容が発明全体を限定するようなクレーム解釈をした事件が散見されます。代表的なものとして以下の判例が挙げられます。

Verizon Services Corp. v. Vonage Holdings Corp., 503 F.3d 1295, 1308 (Fed. Cir. 2007)
“When a patent thus describes the features of the ‘present invention’ as a whole, this
description limits the scope of the invention.”
(特許が“本発明”全体の特徴について記述していれば、この記述は発明の範囲を制限する。)

今や、米国実務では、“本発明(the present invention)”という用語を使用するときはクレーム限定解釈を招かないように注意すべきだ、というのが常識です。

典型的な日本語明細書の問題点

典型的な日本語明細書では、米国でのクレーム限定解釈について無防備です。

以下に示すのは、典型的な日本語明細書における【課題を解決するための手段】の記載例と、これに対応する英文記載例です。

典型的な日本語明細書

【課題を解決するための手段】 
【XXXX】  
 本発明に係る○○装置は、…○○と、を備えることを特徴とする。 
 上記○○装置によれば、○○を設けたので、…することが可能である。 
【発明の効果】 
【YYYY】 
 本発明によれば、…することができる。

典型的な日本語明細書の英文翻訳

× Since the apparatus according to the present invention includes …
× According to the present invention, it is possible to …

この典型例から分かるように、従来の日本語明細書の記載を改めない限り、米国でのクレーム限定解釈を引き起こすような英文明細書が不可避的に発生してしまいます。

まとめ

SSIPのグローバル明細書では、明細書中のあらゆる箇所で本発明について直接説明せず、あくまで実施形態についての説明であることを明確にしています。このため、たとえミラー翻訳がなされても、米国でのクレーム限定解釈のリスクを低減できます。

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