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日本_商標登録出願・ファストトラック審査の運用変更

更新日:2020年3月12日

 3年ほど前までは出願から5-6ヶ月程度だった日本の商標登録出願の審査期間ですが、最近は審査結果の通知まで1年程度かかっているようです。商標の使用は、正式に登録になってから開始するのが理想的ですので、この審査期間の長期化が権利者の方の大きなご負担となっています。

 そこで、特許庁は、2018年9月から「類似商品・役務審査基準」等に掲載されている「指定商品」・「指定役務」のみを記載した出願については、その他の出願より早く審査結果を通知する「ファストトラック審査」を開始しました。特に申請手続きは不要で、要件さえ満たせば対象となり、8カ月-10か月程度で審査結果が通知されていたようです。


 2020年2月1日付の出願より、「ファストトラック審査」の対象となると、審査結果が更に早い6ヶ月程度で通知されることになりました。そのため、一般的な商品・役務であれば、①「類似商品・役務審査基準」、②「商標法施行規則」、③「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載の商品・役務をそのまま記載して出願する方がよいと思います。指定商品・指定役務について審査前に自発補正を行った場合は「ファストトラック審査」の対象にはなりませんので、出願時によく記載を確認することが大切です。

審査の遅れ 約1年 約12カ月 2020年2月1日以降のファストトラック審査 運用改定 「類似商品・役務審査基準」「商標法施行規則」「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」審査結果の通知 出願から約6ヶ月 早期審査 「早期審査に関する事情説明書」 提出 約2ヶ月 通常出願 約12カ月 2020年1月31日までに出願されたファストトラック出願は通常出願より約2ヶ月早く審査結果が通知 新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標。)対象外 日本 商標制度

 一方、「類似商品・役務審査基準」等に掲載されている「指定商品」・「指定役務」でカバーできるのか不明な商品・役務ついては、やはり具体的に記載して、確実に権利範囲に含まれるようにする必要があります。もちろん、審査結果の通知までに時間がかかってしまいますが、本当に必要な範囲で権利取得できていなかったため、トラブルになった審決例・判決例も存在しますので、ご注意ください。登録前に商標を使用したい場合には、出願前だけでなく、出願後に公開となった時点でも調査を行い、再度登録の可能性を検討するとよろしいかと思います。


 審査を早める方法として「早期審査」もあるわけですが、これは商標の使用又は使用の準備を始めているなど、一定の要件を満たさないと認められませんし、書類(早期審査に関する事情説明書)も提出しなければなりませんので、緊急性の高い出願に利用されています。


 なお、新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標。)については、ファストトラック審査・早期審査の対象外です。


 「ファストトラック審査」及び「早期審査」についてご不明な点がございましたら、お問合せください。

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